天体観測
ALMA望遠鏡は、チリの標高5,000mの山の上に66台のパラボラアンテナを並べ、何億光年という遠い天体の観測を行っている施設で、東アジアや北米、欧州の各国が最先端技術を持ち寄っています。温度測定、管理は過酷な環境での望遠鏡性能の保持に欠かせないものとなっており、その温度管理に白金温度センサが用いられています。
宇宙
はやぶさの帰還に成功し、宇宙開発事業の躍進は目覚しいものです。ロケットや人工衛星には多数の温度計が使用されています。地上においては宇宙空間と同じ環境を造り、色々な機器や部材の機能性や耐久性などについて試験を行っています。
放射光試験施設
SPring-8とは、兵庫県の播磨科学公園内にある世界最高性能の放射光を生み出すことのできる大型放射光施設で、エネルギービームラインの周長は、1,436mです。この施設では、放射光を用いてナノテクノロジー、バイオテクノロジーや産業利用まで幅広い研究が行われています。放射光の発生装置は、電子ビームを発生させ光速近くまで加速するための加速器(入射系加速器)と、その電子ビームを円形の軌道に貯めておくための加速器(蓄積リング)で構成され、放射光の屈折補正や制御に温度計(Ptセンサ)は欠かせないものとなっています。
海洋計測
「しんかい6500」は、深度6,500mまで潜れる有人潜水調査船です。日本近海に限らず、太平洋、大西洋、インド洋等で、海底の地形や地質、深海生物などの調査を行い、最近では未来のエネルギーとして期待されているメタンハイドレートなどの海底資源の調査にも活躍しています。 地球温暖化に関して、海洋の熱の移動は地球の気候に大きな影響を与えると考えられ、その海洋観測の手法として漂流ブイや研究船により温度計測が行われています。Ptセンサは温度を実測する以外にも、計測システムの温度校正など海洋温度計測全般に深くかかわっています。
計量標準
独立行政法人 産業技術総合研究所(AIST/NMIJ)
日本の国家計量標準を代表する機関である産業技術総合研究所、計量標準総合センターは、計量標準の長さ、質量、温度など様々な標準を維持・供給し、国家計量標準へのトレーサビリティの源になっています。精密な計量はナノテクノロジーなど最先端技術の土台であり、人々の生活を支えています。ネツシンの標準白金抵抗温度計「NSRシリーズ」は計量機関と各企業、校正機関などのユーザーをつなぐ計器として活躍しています。また、白金温度センサの開発研究において、ネツシンは産業技術総合研究所と共同研究を行った実績があり、開発されたセンサは様々な研究現場、産業現場へ応用が広がりつつあります。
特長
- 応答性が早く、微量な温度変化に反応
- 白金抵抗素子に直接リード線直結で製作可能
- 限られたスペースに使用できる